お米や生活雑貨を分けてもらいに家に戻ると、家のカギが壊されていた。カギがあった場所がポッカリと口を開け、申し訳程度に銅色の針金が扉が開きっぱなしにならないように引っ付いていて。
私はめまいを覚えながら家の中に入り、父に事情を聞いた。落ち着かない様子で父は言う、フリーターな弟はいつも深夜に外に出ていく。その時の扉の音がうるさくて眠れないと。だからカギを壊したという。―あたしは何も言えなかった。
きっとストレスをためこみにためこんだ末に行動に移したのだろう。弟に何も言えずに何も怒れずに。
あたしは悲しくなって、わびしくなって。
そう…、としか言えなかった。
どんどん年を取る父を見て、料理一つすら作れない自分を見て…
あたしが父親を父親と見れないように、父親もまたあたしを娘を見ていないように―

家庭が崩壊してゆく。

家には戻れない。―あたしはつくづく、そう思った。
こんなに悲しくなったのは初めてだ。
帰る場所が、ない。
それがこんなにつらいなんて…思わなかった。

残金3000円。
あたしは…生きていかなきゃならない。
これから、必死で。もがくように。
今の場所にすがりつかなきゃならない。
誰も助けてはくれない。
こうして、日記に弱音を吐くことしか、できないんだ…。
助けて。
返事がないのをわかっていて、助けを呼ぶのは―
…。

悲しみよ、こんにちは。

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