耳栓を通じてテレビの音が届いてくる。
午前4時。時間なんてあっという間だ。鼓膜の奥がキーンと鳴りつづけている。耳栓をして何時間たってるだろう…
孤独を愛している。ゆえに他者の介入を何よりもおそれている。
私だけの時間は、特に。
お隣の喘ぎ声さえ聞かなければ。かかとを踏み下ろすような足音さえ聞かなければ。ワンルームであるはずなのに楽しげに談笑する男女の声さえ聞かなければ。
汚らわしい。けがらわしい。けがらわしい!
憎悪を嫌悪を覚え、私はテレビをつけその騒音を押しつぶす事で平穏を手に入れようとしている。
そしてその上から耳栓をする事でテレビの音すら消してそしてようやく静けさを感じることができた。
いつ、「騒音」が聞こえてくるか…おびえきっているんだ。その「いつ」がこわくてたまらなくて常に用心してこうして備えている。
夜中の2時。音量を大にしたテレビ。ガンガンと苦情を訴える壁を叩く音はそれでも耳栓にさえぎられたいした効果はなくぼんやりと聞いていた。…そもそもおまえのせいじゃないか。私は毒づく。音量を下げた。もはや時間帯は意味をなさなくなっている。混乱してる中でどうして平静でいられる?
壁をへだてた向うにいるおまえさんよ。ルールを破ったのはおまえさんからだ。クソが。罪悪感はまったくない。
こんなつもりで一人暮しを始めた訳じゃないのに…
ささくれた心は妥協すら許さない。
本音はこうだ。
「ワンルームだろうが。二人で住むんじゃねぇ。夜中にあられもない声を出すんじゃねぇ。でてけ。これは報復だ。私の私生活に介入するな。でてけ。反省しろ。自覚しろ。にくい」
我ながら醜い。
わかってる。きっと報いは来る。
もしかしたら追い出されるかも。けどそれならそれでいい。
言いたい事は言ってやるつもりだ。
仕事上ならば幾らでも我慢できるし耐えられる。
だけどプライベートを犯される事は絶対に許せない。
テレビがついている。
耳栓を通じてドタン!バタン!と隣から音がする。
ざまみろとはとても思えない。そこまで無神経にはなれない。
けれど反省もしていない。
ひどい事をしてる自覚はあるけれど。
くるしい。
午前4時。時間なんてあっという間だ。鼓膜の奥がキーンと鳴りつづけている。耳栓をして何時間たってるだろう…
孤独を愛している。ゆえに他者の介入を何よりもおそれている。
私だけの時間は、特に。
お隣の喘ぎ声さえ聞かなければ。かかとを踏み下ろすような足音さえ聞かなければ。ワンルームであるはずなのに楽しげに談笑する男女の声さえ聞かなければ。
汚らわしい。けがらわしい。けがらわしい!
憎悪を嫌悪を覚え、私はテレビをつけその騒音を押しつぶす事で平穏を手に入れようとしている。
そしてその上から耳栓をする事でテレビの音すら消してそしてようやく静けさを感じることができた。
いつ、「騒音」が聞こえてくるか…おびえきっているんだ。その「いつ」がこわくてたまらなくて常に用心してこうして備えている。
夜中の2時。音量を大にしたテレビ。ガンガンと苦情を訴える壁を叩く音はそれでも耳栓にさえぎられたいした効果はなくぼんやりと聞いていた。…そもそもおまえのせいじゃないか。私は毒づく。音量を下げた。もはや時間帯は意味をなさなくなっている。混乱してる中でどうして平静でいられる?
壁をへだてた向うにいるおまえさんよ。ルールを破ったのはおまえさんからだ。クソが。罪悪感はまったくない。
こんなつもりで一人暮しを始めた訳じゃないのに…
ささくれた心は妥協すら許さない。
本音はこうだ。
「ワンルームだろうが。二人で住むんじゃねぇ。夜中にあられもない声を出すんじゃねぇ。でてけ。これは報復だ。私の私生活に介入するな。でてけ。反省しろ。自覚しろ。にくい」
我ながら醜い。
わかってる。きっと報いは来る。
もしかしたら追い出されるかも。けどそれならそれでいい。
言いたい事は言ってやるつもりだ。
仕事上ならば幾らでも我慢できるし耐えられる。
だけどプライベートを犯される事は絶対に許せない。
テレビがついている。
耳栓を通じてドタン!バタン!と隣から音がする。
ざまみろとはとても思えない。そこまで無神経にはなれない。
けれど反省もしていない。
ひどい事をしてる自覚はあるけれど。
くるしい。
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