人と親しくなるたびに、いつかそれを失うかもしれない恐怖が心を蝕んでゆく。傲慢で欲張りで飢えた感情が両手さえつなごうとするのを押し止めるのがやっとで。もしその手を振り払われた時の事を考えると死にそうになる。「欠けて」見えない人間と一緒にいると心を奪われそうになる。暗闇に二人きりになると胸騒ぎに震えてしまう。ただただ、おそろしかった。逃げ出してしまいたい。何もかも見透かされてしまいそうな気がして。外見をどこまで欺いても、思い知ってしまう。私は「ちがう」。牢の中で鉄格子の空を見上げるように。

久々に大きな失敗をした。手直しだけで二時間かかった。
一緒に組んでた二人に迷惑をかけた。
最近めまいが激しいという社員さんにも大いに迷惑をかけた。
数ヶ月とはいえ培った経験と実績が、私を慌てふためかせるだけの無能者に戻したりはしなかった。感情は乱れはしなかったが、寒いくらいに冷え切っていた。

言われるままにハイ、ハイとしなくなった代わりに、人にものを教え指示をする側頼られる側になった途端。物言わず罵っていた。

『馬鹿どもめ』

醜いのは外見だけじゃなかった。
人はその醜さをも見抜き、遠ざかる。
諦めにも似た苦い思い。なんて傲慢なんだろう…。

そしてもう一つ。
―わからない。
…社員じゃないからか?所詮派遣だから?
周りを見て思う。どうしてそんなに「軽そうに」責任を背負ってしまえるんだろう。
……………悲しくなった、よ…。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索